1. じとじとニッポンに上陸

今日から始まる「ニッポン滞在記」。一か月以上も前のことで申し訳ありません。これもすべてフェリアのせい(笑)。なわけ、ないですね。

さて、六月末に子供たちの夏休みが始まると、私も晴れて「夏休み」。で、あわてて荷造りしてニッポンへ。本当は、気候のいい秋や春に帰国したい。が、仕事の都合でそうもいかず・・・

「うー・・・きっと、日本は暑いだろうなぁ」
ぼんやりと去年の記憶がよみがえってくる。ここのところ、三回続けて「ニッポン帰国イコールへとへと」だったので、今回はゆっくりしたいなと思っていた。

前回は「インフルエンザ」でへとへと。その前は、真夏の展示会で「どうやっても一人では運べない荷物」でへとへと。そしてその前は「母の葬儀」。

だから、日本帰国を前に
「展示会を今年一年、見送ってしまえ」
と、決めた。やればできたかもしれない。が、私の中で
「がんばりすぎるあまり、遊び心を失ってしまいそう」
な、感じに襲われていたから。

そして「展示会」という枠に入りきらない内からあふれる情熱が、ここ数か月の間に膨れ上がって、外に出ようとしているのを感じていた。
「その流れに身を任せたい!」
という強い衝動と確信。何かが生まれる、次のステップ、段階が透けて見える・・・

そこで、今回の帰国は「父とのんびり過ごすこと」「家の荷物整理をすること」などに、前半を費やすことにした。思えば、ミュージシャン時代から昨年の展示会まで、常に「公」の場に立っていたので、「私」だけってのもいいかなぁ、と。

名古屋空港行きの飛行機の中では、映画を四本。こんな時しかテレビも映画も見られないので必死。二回の食事タイムだけ、画面を停止。ここのところ「座って画面を見つめる」という動作が、すでに生活の中にないのでなんだか新鮮。

やっと日本に到着。スーツケースを受け取ろうと、ベルトコンベヤーの所に並んだ、その時だった。
「もわっ」
と、来た。まだ、空港の出口にもたどり着いていない。
「な、な、なんだ・・・これは」
正体不明の「もわっ」は、空港から名鉄乗り場に向かう通路で、はっきりと「じとじと」に変わった。すごい。これでは、熱帯植物園の温室である。

「さすが湿気大国・ニッポン!」
からっからに乾燥した機内から、こんな中に放り出されて
「顔色ひとつ変えない」
みなさんはすごい。誰も動揺していない。

まずは名鉄で豊橋へ。父と再会。いつもの笑顔に会えてまず安心。元気そうでよかった。お腹ペコペコなのでそのまま回転ずし「魚魚丸」へ直行(写真一、二枚目)。

このコース、母とベラといつも四人で再会を祝う場所だった。四人がけの席に今は二人。でもきっと、天国から見ていてくれるだろうなぁ。

豊橋の実家に今もあるピアノ。今回は丁寧に掃除も(三、四枚目)。これまで一年半、そんな余裕もなく突っ走っていたんだなぁ。と、改めて気づく。母とべラの聖台、にオリーブオイルとチョコレートをお供えして合掌。

するといきなり、アイフォーンが「ピン」と鳴る。見れば、ハビ吉。
「もも、日本に無事着いた?もうすぐ僕たちも行くよ!」
そうだった。ハビ吉とダビーは、ニッポン上陸を実現させようとしている。ジャパンレールパスだか何だかを買うかどうか今、検討しているまっ最中。だと言う。

果たしてどうなることやら。今日から始まる「ニッポンじとじと記」、しばらくおつきあいよろしくお願いいたします。
(明日に続く)

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「1. じとじとニッポンに上陸」への2件のフィードバック

  1. 立派なアナゴ!

    お父さんと二人になってしまって寂しいことですね。

    momoさんのご実家、落ち着けそうな感じ。

  2. このピアノの部屋はずっと母が使っていたので
    懐かしい思い出がいっぱい詰まっています。

    三歳の私に、ピアノを買い与えてくれた両親。
    そのおかげで今があります。
    この部屋にいると、原点に戻るような気がします。

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