「グーグルフォト」問題

アイフォーンで撮った写真を「グーグルフォト」にバックアップしようとして、その悲劇は始まった。ふだんなら一瞬にして写真を保存してくれるグーグルフォト。なのに何度やってみても
「写真にアクセスできません」
の一点張り。

というところまで、先日のブログで書いた。と思う。で、クロ隊長に相談したところ、一番手っ取り早い解決法は
「グーグルフォトをいったん削除し、再度ダウンロード。設定し直す」
というものだった。

「ふーん」
とうなづけるみなさんは、初心者ではない。はず。基本的にテクノロジーに悲しいほどうとい私は
「グーグルフォトをいったん削除。って、グーグルフォトに保存されている写真はどうなってしまうのか。すべて消えてしまうのではないか」
と恐ろしい想像にとりつかれ、一気に血圧が上がった。と思う。動揺具合からして。

「大丈夫です。写真はクラウドに保存されていますから」
というようなお返事をもらったにもかかかわらず
「クラウド」と「iCloud」を同じものだと思い込み、勝手に「iCloud」のアカウントを取って、何やらどんどんオンにして、もうひたすら闇に向かって突っ走っていくのであった。

さすがにクロ隊長も
「クラウドと、iCloudを混同するくらい、私がわかっていない」
ことにひっそりと驚かれたのだろう。その翌日には
「グーグルフォトをいったん削除し、再度ダウンロード。設定し直す」
ためのマニュアルが手作りされ、朝一で届けられた。

マニュアル最後に添えられたクロ隊長のメッセージ。その一番最後の「漢字六文字」のフレーズを目にしたとたん、私の全身から力が抜けた。よほど力を込めて言いたかったのにちがいない。その六文字だけ大きめのサイズになっている。

「自己判断禁物」
それは一見「戒め」のようにも聞こえるが、その時の私には「救い」のように感じられた。つまり、わからなかったらどれだけでも聞いていい。ってことなのでしょうから(涙)

これまであまり迷惑をかけないように、できるだけ自分で処理しようとやってきた。が、これで心が一気に緩んでしまい、怒涛の質問メッセンジャー攻撃が始まってしまった。

クロ隊長のマニュアルは写真つきで、丸枠で囲んであってたりして、とてもわかりやすい。それを見ているだけで
「あ、これはもう大丈夫。いけるな」
と、思える。ま、それは自分のレベルを知らない者の楽観。であって、事態はさらに、後藤kkをも巻き込んで悪化していくであるが。

さて、マニュアルに従って、正しくアイコンや選択肢を押していく。
「よしよし」
番号1から始まり、8まで順調に進む。が、なんと。9のところでいきなり、
ふりだしに戻ってしまった。

あの悪魔のような呪文。
「写真にアクセスできません」
が、くり返し表示されてしまう。

「え、え、え、どうして~」
さすがに涙目になり、クロ隊長に助けを求める。これにはクロ隊長も
「不思議ですねぇ」
というようなトーンになり、いろいろな確認の方法を次から次へと送って下さる。

そのどれもが、だめ。となった時、ふとクロ隊長が思い出したようにつぶやかれた。
「あと、アイフォーンそのものの電源オンオフはしたのかな?」

「そんなこと、一度もしたことありません。どうやって電源オフするんでしょうか?」
「・・・・・・」

たぶんその瞬間、表情は変わらずともクロ隊長は
「まさか」
を通り越して、いったい私は誰と何を話しているんだろう。的な異次元感覚に襲われたにちがいない。

「困った時の再起動というのは、まず電源オフにします。オンにして解決できることがしばしばあります」
「やってみますっ」

教えられた通りに電源を切る。実に八か月ぶり。なんだかかわいそうになる。ずっと働きづめだったんだなぁ。私のアイフォーン。主人がこれだから。

「オンできました!が・・・今度はSIMはロックされてます。って」
「ふーん。そう。ちょっと待ってね」
クロ隊長の吹き出しが数分止まる。そして数分後

「いちおう後藤にも確認してみましたが、ロック解除で進めてください」
「ええっ、後藤KKにまで!ああぁ、申し訳ありません」

そして。ロック解除をし、ピンを入れるや。
「おぉお、グーグルフォト再起動!」
やったー!これでアイフォーンが生き返った。ような気になる。

「あ、あ、あ、ありがとうございます」
これだけお二人を心配させ、質問ぜめにし、マニュアルまで作らせ
「電源をオフにしてオンにすればよかった」
って・・・・。そんな。しばし、呆然。

その後、クロ隊長は
「電源のオンオフをしていない。という発想が私にはなかった」
と、述べてらっしゃいましたが、そうでありましょう。「うとい」とは、こういう「テクノロジー的な想像がまるでない」人の状態。およびレベル。のことなのでありましょう。

クロ隊長、後藤KK。お騒がせして本当に申し訳ありませんでした。これから何かあったら必ず最初に「電源オフオン!」します。

「電源オフオン、電源オフオン~」
と数回くりかえしていたら、鼻歌になってきました。そうか。名曲というのはこうして生まれるのかも。感激や挫折、歓喜とともに。オーレ!

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