たんこぶにパン

先日、棚の角に思いきり頭をぶつけ
あまりの痛さに、うずくまっていた。
ぶつけた場所が前頭葉だったので、頭脳労働に障害が起きては大変と
何とか立ち上がり、ふらふらと、冷蔵庫に近寄って行った。
「アイスノンで、冷やすべし!」

冷凍庫の中を引っかき回すが、アイスノンは見当たらない。
まさか、この大事に。
仕方なく、氷を探す。
が、氷も昨日使い切ってしまって、ない。

「冷たければ、何でもいいのでは?」
痛みをこらえながら、冷凍庫にあるものを取り出す。
「肉」「魚」「パン」。
大きく分けて、この3種しか、ない。

「うーん・・・」
やはり、パンであろう。この中から選ぶとしたら。
肉や魚を頭に当てるのは、さすがにちょっと気持ち悪い。

私は「パン」を選び、頭に当てた。
ヒンヤリして気持ちいい。
これで、たんこぶもおさまってくれるかも、と胸をなでおろした。
が、このときになって気づいたが
やはりパンは、頭に当てるために作られているものではない。
アイスノンのように
頭のカーブにあわせ形を変え、密着してはくれないのだ。

「ううう、不便じゃー」
もっと、密着感がほしい。
パンを頭に乗せながら、次回は「パン、肉、魚の三択」に
「アイスノンと氷」を加え、ぜひ五択にしたい、と強く思った。

 

~音楽と絵の工房~地中海アトリエ・風羽音(ふわリん)南スペインだより