「白鳥の湖」に行けるのか

5日間に渡る完全ダウン。6日目の今日、どうしても家から出る用事ができた。出なくていいように、全力で努力はした。が、

「バレエ白鳥の湖」

の私のチケット。誰にも買ってもらえなかったのだ。今回はめちゃ奮発して、舞台から5列目の特等席(最高額チケット)を買ってしまった。

自分へのご褒美。クリスマスプレゼントだったので、清水の舞台からも飛び降りられた。が、それほど興味のない友人達からしたら

「ええっ、高いな〜」「うわ、プラテア」「今夜はもう予定があって」

公演当日ではみなさんすでに予定が詰まっている。それを聞いたハビ吉が

「僕が買ってあげるよ」

と申し出てくれた。が、彼はアートやバレエ、音楽には全く興味がない。「興味ないのに、なんで買うのよ!」と、ハビ吉に怒ってどうする。そこで最後の手段

「あげる」

方向で探すことにした。すると、声をかけた友人達が声を揃えて

「ずーっとももが行きたかったロシアバレエ団の白鳥の湖じゃん。無理しても行った方がいいよ」

「ぶり返したらまた、来週ゆっくり治せばいいんだから。2時間くらい何とかなるって」

「大丈夫。暖房もきいてて椅子に座ってるだけ。病院の待合い室よりずっとまし」

だいたいマラガっ子全体に「安静」という概念が欠けている。あまりにも周りに心配されないと「もしかして大丈夫なのでは」と思い始める。

「うっしゃー、やるしかない!」

人間、決意すると行動的になるもので、急にテキパキと体が動き始めた。頭もスッキリしてくる。

まずは必殺「牛若丸鍋(勝手に命名)」を、朝から5回。これは、フタをした鍋で水を沸騰させ、その蒸気を吸い込む。という家庭療法。

その時、蒸気を逃さないようバスタオルやシーツを頭からすっぽりかぶるのがポイント(その隙間から顔を出すと、まるで牛若丸←由来)。その時であった。

「ぐうわぁああ〜〜〜っ」

オタケビをあげながら、オウムが私の頭頂部めがけて飛びかかってきた。シーツに噛みつき戦闘モード。ちょっと。ママは遊んでるんじゃないよ。治療中だって。

「なんで頭の上にオウムがっ」

振り払う体力も惜しいので、オウムを頭に乗せたまま「牛若丸鍋」を続行。きっと不思議な図。外から見たら。

「せっかくなので、撮影してみよう」

もちろん頭はシーツの中。なので、右手だけシーツの外に出して、当てずっぽうセルフィ撮影。ちゃんとオウム入ってた(笑)。

5回の牛若丸鍋は、すばらしい効果をもたらした。咳が激減。そして。5回とも、オウムは私の頭の上で揺れていた。

これ全て「白鳥の湖」のため。厚着をし、ホカロン、水、薬、のど飴を持ってバスに乗る。今週のマラガは連日20-12度。それも私の背中を押してくれた。

「なんとしても今夜、劇場にたどり着かねば」

開演15分前に、ダビーと正面入口で待ち合わせ。はたして。

(明日に続く)

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