10.通訳にあたって

こんにちは、ももです。
「ベラの部屋」~第1部・僕の見たニッポン~企画も、無事終了!
読んでくださったみなさん、どうもありがとうございました。

通訳しながら書いたのははじめてでしたが
意外なベラの視点に、驚かされることが何度もありました。
「取材するよ」
と言うと、いろいろなことを思い出しながら答えます。
何度も話が脱線したり、
話に「しめ」がなく、二人して話をするうちに結論までたどり着いたり
不思議な体験でした。

わたしが一番うれしかったのは
ベラが「お寿司」や「お城」や「紅葉」など、目に見えるものでなく
「思いやり」を、ニッポンで一番好きだったことにあげたことです。
そしてスペインで、べラが友達にニッポンの自慢話をするとき
「料理の味」ではなく、「料理の彩りに対する日本人の思い」
「行った場所」ではなく、そこで「出会った人たちの思いやりや誠実さ」
について、生き生きと語ることでした。

誰が教えなくても、
ベラはちゃんとニッポンのよさを感じて、理解して
大切にしているんだなぁ。
通訳しながらときどき、鼻がつん、となることもありました(笑)。

最後に、書ききれなかった取材ノートのメモを、一覧でのせます。
ベラは日本のこんなことに、いちいち驚いていましたよ。

・みんな時間厳守
・健脚、駅は階段が多い
・車道が反対で、乗っていると怖い
・とにかく「小さなもの」が好き
・みんな移動中である、それも全速力
・あらゆる動作がすばやい、無駄な動きがない
・道を聞くと、みんな親切に教えてくれる
・エレベーターで、必ず片側を空けて乗っている
・道路にひとつもゴミがない
・信号無視をして、道路を渡る人がいない
・大声で叫ぶ人がいない
・困った様子をしただけで、人がとんでくる(友達だから?)
・レストランが平日でも、いつもいっぱい。
・名鉄電車の背に、特急券を入れるホルダーがある!
・切符の確認にまで、帽子をとり頭を下げる
・どこにいっても、礼儀正しい
・シエスタ(お昼ね)が、まったく存在しない
・泣き叫ぶ子どもを、一度も見なかった
・女の人がきれい
・男の人は、清潔感がある
・本当はすごく頭がよくても、いばらない
・太っている人が非常に少ない
・スペイン語は、誰も話さない
・一度、駅のトイレから出られなくなった(操作がわからず救出される)

そして、通訳をするあいだ、
ベラが何度もくりかえした次の言葉で、この企画をしめたいと思います。

「ニッポンでは、どこに行っても笑顔に会えました。自然な笑顔。
会話をしたときに、はらっとこぼれる、心からの、誠実そうな笑顔。
ニッポン人はきっと、みんな幸せなんだね。
そうじゃなかったら、あんな笑顔はできません。
いっしょにいるとき、ニッポンのともだちはよく笑う。
それは僕のため、じゃなく、自分が楽しくてうれしくて、笑う。
それが、うれしかったです。
それが、僕がニッポンに行って、一番すてきなことでした。
ありがとう、ありがとう。」

(「ベラの部屋・第1部」完)

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「10.通訳にあたって」への2件のフィードバック

  1. 「・エレベーターで、必ず片側を空けて乗っている」はひょっとしたら「エスカレーター」でしょうか。。。ちょっと気になったりして。

    ももちゃん、通訳お疲れ様でした。私もベラが日本の心を感じてくれているのをとても嬉しく思いました。それはたぶんベラが物より心を大切にしている人だからだと思います。

    次の企画も楽しみにしています。

  2. そうですっ。「エスカレーター」です!
    いつもながらクロ隊長、的確なご指摘ありがとうございました。

    スペインでは誰も、エスカレーターで片側をあけません。
    だから急いでいるとき、ほんと困ります。

    今、思ったけど、ときどきスペインのテレビで
    「日本人がふつううに行っている行動」が「世界びっくり映像」
    として紹介されています。
    スペイン人は「ええ~っ!」とか言って驚いてるけど
    「きみたちこそ、びっくりだ~」と、スペイン人に言いたい(笑)

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