20.じとじと圏からカラカラ圏への帰還

昨日の続き。「ニッポンじとじと記」もいよいよ最終回。名古屋からまず成田へ飛ぶ。ここで二時間半の待ち時間。さっそく一足早いランチタイム。空港を眺めながら「ピリ辛・薬味たっぷりうどん」で元気を出す(写真一~二枚目)。

本日の第二便は成田発~マドリッド着のイベリア航空。その搭乗口でハビ吉と待ち合わせ。
「あーっ、いたいた」
「ももー、探したよ」

昨日、豊橋で別れて、今日東京で会う。なんという距離感。この後はマドリッドでまたお別れ。私は一人、マラガへ。本日三便目のマドリッド~マラガに搭乗の予定。なんだか移動につぐ移動、の数日間。

乗り継ぎ三回は、かなり疲れる。待ち時間もあるし、セキュリティチェックもあるし。でもここ数回、行きも帰りも一人旅だったので、二人というのは心強い。何より楽しい。

べラがいなくなって、隣に座る人がいなくなった。でも愛する人に代わって、友達たちがいつも体温を感じられる距離にいてくれるようになった。スペインでは友人同士、いつも肩や腕に触り合う。軽いタッチではなく、しっかりと握り、抱きしめる。その力強さは
「ここにいるよ」
「一人じゃないよ」
「大丈夫だよ」
「ありがとう」
「ごめんね」
いろんな思いを伝えてくれる。

ハビ吉と私は本当によくケンカをするけれど、言葉ではうまく謝れない時、そっと肩を抱きしめるだけで
「ごめんね」
を、うまく伝えることができる。たまにそれもできなくて、叩いたりしてるけど(笑)小学生みたい。

さて、まずはおにぎりとビールで乾杯。これは機内食ではなく、ハビ吉の持ち込み(笑)。映画を四本見て、おしゃべりして、食事を二回したら、あっというまにマドリッド。

「これからマラガだね、気をつけて」
「ハビーも明日から仕事、がんばって」
再び一人になり、すっと心が引き締まる。
「これからまた、がんばって生きていかなくちゃ!」
呼吸がはっきりと変わる瞬間。友達と一緒もいい。が、それと同じくらい、一人もまたいいもの。

マラガ行きの飛行機に乗り込む(四枚目)。日の入りが日本より二時間半近く遅いので、午後七時半でまだ太陽さんさん。一時間後。飛行機が低空飛行に入る。
「マラガだ!」
窓にへばりついて、マラガの景色を眺める(五枚目)。すごい。まっ茶色。まるで砂丘のよう。

これぞマラガ。乾燥してます。じとじと圏からカラカラ圏への帰還。でも、私にとっては懐かしい風景。
「やっと地元に帰って来た・・・」
という感慨でいっぱいになる。見慣れた風景というのは、それだけでこの上ない安心感をもたらしてくれるのだ。

ハビ吉と私が無事スペインへたどり着き、さっそく仕事を始めた頃、ダビーは一人日本に残り、友人たちを訪れていた。その時に送られて来た写真がこちら(六~八枚目)。

「うわっ。すっごい健康的な生活してるね」
カプセルホテルにカップ麺。その後、移った民泊先ではゴキブリがお出迎えしてくれたらしい。

「急に、ちがう日本が見えてきたよ」
それもまたよし。何事も経験。生きのびられれば、すべてよし。

最後になりましたが、ニッポンでお世話になりましたみなさま、本当にありがとうございました。ニッポン滞在で心も体もお腹もいっぱい。エネルギー満タン。

次回は12月に帰国、そして「展示会」を予定しています。まだ日程は未定ですが、すっかりその気で走り出しました。新しいもも作品を、南スペインの風を、色を、日本のみなさんにぜひお伝えしたい。お届けしたい。

さらに来週から「Facebook」がスタート。「ポートフォリオ(作品集)」の制作も進んでいます。こちらは年内完成の予定。続々、行きます!
12月の展示会でみなさまにお会いできるのを楽しみにしています。

(「ニッポンじとじと記」完)

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「20.じとじと圏からカラカラ圏への帰還」への5件のフィードバック

  1. 12月のいつでしょう?
    今日本で、12月初めまでいるのですが。。

  2. まあ、なんと!すれ違いなのかなぁ。うーん残念(涙)。
    私の日本帰国は12月中旬の予定です。
    長期の日本滞在、よかったですね!心ゆくまで満喫して下さいね。

  3. スペインの他との距離感が大好きです。寂しさを感じさせない近さと、他を尊重する姿勢 これは本当にどこに行っても見習って 真似したいと心から思います。

  4. あら~~残念!
    ではいつかマラガでお会いしましょう、ですね。

  5. まさにSさんのおっしゃるとおり!
    「親密&濃厚ボディコンタクト。だけど、相手の意思を尊重する」
    このバランスのよさがスペイン。

    「言葉が半分。ボディトークが半分」
    というコミュニケーションバランスもすばらしい!

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