18.西日親睦ゲーム大会

昨日の続き。夕食の後は、いよいよ今夜のメインイベント「西日親睦ゲーム大会」がスタート。まずは開会式。で、赤ワインのボトルが登場。ゆっくりとコルク栓が抜かれ、ゲーム開始。

「乾杯!」
これから先は、家族友人であろうとも真剣勝負。気合いを入れるため、おもちゃのお札も用意。まずは、日本人なら知らぬ人はいない「ビンゴゲーム」から。

「何それ?」
はっはっは。そうであろう。スペインにはありません、このビンゴ。
「あと一つになったらリーチ」
「それが二か所重なったらダブルリーチ」
「一列すべてそろったらビンゴ」

正座はできないが、あぐらはかける。畳に浴衣。後ろには敷かれた布団。念願の日本的な雰囲気の中、ビンゴは始まった。
「えっ、えっ、何番?」
「よんじゅ、って何?」
そう、日本語とスペイン語の両方で数字を告げねばならばいので、いちいち大騒ぎ。

「はい次、13。トレセね」
「トレセ、トレセ・・・・」
「次は24、ベインティクアトロ」
「えー、待って待って。そんな早く見られないよ」

そのうえ、ハビーは右まゆげの上を蚊に刺され転げ回る。
「うわぁあ、かゆいかゆい。集中して数字が探せないよ」
写真をご覧ください。ぷっくり腫れてます(一枚目)。

「あっ、リーチリーチ!」
「僕はダブル。あっ、ちがうトリプルだ」
すぐに感覚をつかんで、ゲームに熱中。だんだん数字を読み上げるスピードが速くなる。

一回目。父と私の圧勝。二回目、三回目、四回目・・・なぜかすべて、父と私が勝ってしまう。のである。
「おかしいなぁ、なんでだろう」
首をひねっていると、ダビーがおもむろにアイフォーンを取り出し「西日自動翻訳アプリ」になにやら入力を始める。ダビーはこうして
「画面を表示」
することによって、私たちと時々意思の疎通を図るのだ。

「これ、でしょ?」
写真をご覧ください(三枚目)。ダビーが自信を持って差し出す画面が、こちら。しっかり大きな日本語で書かれてます。
「日本の詐欺」

「こうやって、外国人から金を巻き上げるシステムだね」
「はぁあ?」
「二人ばかり勝つのはおかしい」

父は爆笑していたが、ダビーはかなり真剣な表情で
「ゲームを変えたい」
と、言い始めた。
「じゃ、七並べにする?」

ここに来て、勝負は半々。続いて「ババ抜き」で、完全に逆転優勝。
「やったー!親子詐欺についに勝った」
ダビーが満足げに、ワインを飲み干す。その時になって、ハビ吉が私の耳元でささいた。
「時間は大丈夫?もものお父さん、そろそろ寝る時間じゃない?」

そういうことを、よく覚えているのだ。ハビ吉は。そうして二時間半に渡る「西日親睦ゲーム大会」も、無事終了。
「おつかれさまでした!」
「おやすみなさーい」

翌朝、せっかくなので「朝風呂」へ。露天風呂、展望風呂ともすばらしい眺め。三河湾を一望。さすが西浦温泉。そのうえ誰もいないので、完全貸し切り状態。なんて贅沢~(五~六枚目)。

朝食もバイキング。和洋食が選べてとても便利(七~八枚目)。なかなかの品ぞろえで大満足。
「これが朝食?ランチだよ、完全に」
二人は眠い目をこすりながら、それでも制限時間いっぱいまで食べ続けた。もちろん会場を出たのは、私たちが一番最後。

「日本人はすごい。時間前にみんな会場を出ていくよ」
「スペインだったら制限時間になってから、やっと腰を上げ始めるよね」
なんというマナーの良さ。二人はそれをこの数日間で、何度も実感したと言う。

「じゃ、これから蒲郡に寄って行くからね」
父が再び、車を発進させる。これから蒲郡の名物スポット「竹島」と「弘法大師」へ。その後、豊橋駅へ二人を届け、お見送りの予定。私たちの旅も、いよいよ終わりに近づいてきた。

(明日に続く)

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