デモとスペイン事情

スペインでは、去年から
毎月、「デモ」が行われるようになりました。
4~5年前にはまだ、見かけられなかった光景です。
9月25~26日にかけて行われたマドリッドのデモは
多くの市民の負傷者を出しました。
逃げるデモ参加者を、店やレストランの中まで追いまわし
めった打ちにする警官。
駅の構内になだれ込むや、
ホームにいた人々に向かってゴム弾を発砲。
列車を待っていた人と、デモ参加者を無差別に
こん棒でめった打ち、殴る、蹴る、カメラの押収、破壊・・・・
TVでは、見ることのできない
You tubeに流された、何十という『真実の報道』に
市民は憤りを感じました。

60歳、70歳の、手に何も持たないお父さん、お母さんに向かって
こん棒をふり下ろせる「精神」が
異常じゃなくて、なんでしょう。
20代の警察官が、ついこのあいだまで
そういうお父さん、お母さんの世話になっていたのです。
自分の親じゃないから、いいのでしょうか。

翌日、さらなる「驚くべき事実」が、発覚しました。
デモ参加者の中で、最前列に立ち
『警察を荒らしくののしっていて男性』が
実は警察により送り込まれたスパイ
『デモ汚し人』だと、わかったのです。
そうと知らない警察官の、こん棒攻撃に耐えきれず
「ソイ・トゥ・コンパニェーロ・コーニョ!」
(俺は仲間だよ、くそっ~!)
と、叫んでしまったのが、発覚のきっかけ。
スペイン市民を呆然とさせました。

デモの抗議の対象は基本的に
「スペイン政府、政治家、ロイヤルファミリー、ブルジョア階級」
に対してです。
日本は社会がピラミッド型ですが
スペインは中世の流れをくんで
「上と下」「支配階級と労働階級」に大きく2つに分かれます。
そして、「上」に立つものは、下の者のパンがなくても
贅沢三昧の生活をする暮らしを続けます。
そうして起きた「フランス革命」でしたね。

つい先日、ニューヨークタイムス誌に
スペインのロイヤルファミリーの巨額な私財が
すっぱぬかれました。
その一方で、教育と健康の分野において
信じられないような費用カットが行われています。

うちのピアノ教室に来る生徒たちが、嘆いています。
「図書館が週に2回、1時間しか開かず、本が探せない」
「体育館の電気がなく、暗くて危ない」
「学校のトイレに鍵がかかっていて、使えない」
どうですか。
日本では、信じられないレベルでしょう。
「上と下」の差が、はっきりと目に見える。
「給食代」が払えず、お弁当を持っていく子どもたちが
言っていました。
「みんなみたいに、温かいごはんが食べたい・・・」

そんな中、政治家たちは贅沢三昧。
飛行機はファーストクラス。
100万~300万の給料のうえ、
車もガソリンも、何も払う必要はありません。

この国を、本気で建て直す気があるとは、
とても思えませんね。

Facebook にシェア
[`google_buzz` not found]

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です