エル・パロ、はるか遠く

CIMG3247 CIMG2235 CIMG3237 CIMG2448 CIMG3382 CIMG3246 昨日の続き。
「腰問題」が始まり
最初の3日間は
激痛でほとんど動けず。

「朝起きる&夜寝る」際は
その動作だけで
それぞれ20分かかる。

とにかく「快適な姿勢」
というものがなく
「体に力を加える動き」は
いっさいダメ。
そのレベルが情けなく
窓を開ける、
イスを動かす、
上下左右にある物を取る、
といったことが一大事。

「い、い、いったいどうしたら」
この言葉に続くのは
「生活していけるのであろう」
であった。

一人暮らしとなった今
「ちょっとお願い」
とベラに頼むわけにもいかず
すべて自力、である。

腰の重心をはずせないので
一人では靴下もはけないと
わかった時のショック。
「ああ、これが夏だったら」
少なくとも、靴下ごときに
20分もかけなくていいものを。

昨年、腰の痛いベラのために
伊藤さんと両親が
山のように持たせてくれた
「貼り薬」を腰周辺
に貼りまくる。

そのおかげか
4日目にやっと
動けるようになった。
つまり、靴下をはくことが
できるようになった。

「出かけるなら、今だな」
と感じた私は意を決して
外出の準備を始めた。
今週のマラガは
この冬一番の寒さで
最高12度最低6度。
見れば、小雨まで降っている。

が、今の私にとって
重要なのは
「果たしてエル・パロ地区まで
歩いていけるのか」
ということだった。
これで
これからの私の人生が
決まるような気がした。
涙さえ、浮かんでくる。

「歩きたい・・・」
たった10分なのだが
エル・パロはとてつもなく
はるか遠くに感じられた。

そしてこれから
自分がやろうとしているのは
とんでもない「冒険」に
思えてきた。

それが
「できるかどうかわからない状態」で
「全力でのぞまなければかなわない」
という意味において。

が、行くしかなかろう。
なにしろ明日までに
どうしてもやらなければ
いけないことが山積みなのだ。

電気代の支払い。
固定電話の返却。
保険会社の契約書類のサイン・・・
すべて明日が最終日。

それに何より私もオウムも
食料が、ない。
ヒマワリの種も、パンも果物も
玉ねぎ一個、ない。

「うおぉーっし」
私は靴下をはけた喜びで
なんだか何でも
できる気分になっており
その勢いで外出着に着替え
カッパを着こみ
リュックを背負った。

「エル・パロ地区へ出発!」
なんだかものすごい
チャレンジャーの気分だ。
アマゾンへ出発、あるいは
初めてのおつかい、くらいの
不安感は、ある。

はたして
エル・パロ地区へ無事
たどり着き
そして家まで帰って来ることが
できるのだろうか。

(明日へつづく)

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