1. いってきます、ただいま

今日から始まる新企画は「べラの日本語レッスン」。
なぜかというと、ほんとにべラが日本語を勉強するようになったから。
夢のようであった「ニッポン滞在」から
「マラガの粗食と太陽の日々」にもどるや、
べラは人がかわったように、日本語を毎日勉強し始めた。
それも、目的はひとつ!
「2013年もニッポンに行き、日本語でみんなと話しをしたい!」

なにしろ、朝一番のあいさつが
「ブエノス・ディアス」から、「おはようございます!」に
かわってしまったのだ。これは、困る。
「ブエノス・ディアス」だからこそ、だら~っとしていられるのが
「おはようございますっ!」と、勢いよく言われると
思わず飛び起き、シャキッっと背筋などのばして
「はい、おはようございます!」
と、答えてしまうではないか。
せめて、だら~っと「おはよぉ~」とか、言ってほしい。

さて、今週の学習フレーズは
「いってきます」と「いってらっしゃい」、そして「ただいま」。
これを、実際に「家を出入りしながら使えるようにする」、というのが
今週の学習目的である。
「ごみ捨てに行ってくるね、行ってきま~す♪」
「ただいま~、野菜買ってきたよ」
好調である。
一日に数回くり返すので、3日もすると受け答えは完璧になった。

その成果を母に電話で報告すると
「あらぁ~、じゃ日本に来ても、ごみ捨てに行ってもらえるね」
と、まったく方向のちがうことを言っていた。

さて、ある日、わたしが郵便局から帰ってくると
べラが眉間にしわを寄せている。なんとなく不機嫌なので
「どうしたの?」
とたずねると
「今もも、ただいまって言わなかった」
「えっ・・・・・」
だって、そんな習慣ないもん、と言おうとして、
ぐっと言葉を飲み込んだ。

きっと、これは始まりにすぎない。
開けてしまったパンドラの箱を横目で見ながら、
これからわたしたちの間に起こるであろう、
あらゆる「日本語問題」を思って、くらっとした。

(「べラの日本語レッスン・2」につづく)

~音楽と絵の工房~地中海アトリエ・風羽音(ふわリん)南スペインだより