wifi問題

まず、なんと読むのか。
wifi。
スペインでは「ウィフィ」と呼んでいる。
「これがあると、パソコンができる」らしい。

それだけしか認識のない私たちは
ショッピングセンターにテレビを見に行き
今月の一押し・目玉商品の説明を受けながら
「で、ウィフィありますよね?」
と、当然といった口調で尋ねられた。

10年前にもらったテレビを今も使っている私たちは
昔ながらの箱型テレビ。
ウィフィとテレビの関係もわからないが
何より、私の中にふくれあがってきた疑問は
「どうして自分がウィフィを持っている、ということがわかるのか」
であった。
何を持ってして、自分はウィフィを持っていると
自信をもって言えるのか。
あるいは、ウィフィ使用料の「請求」が来ることにより
「ああ、うちにはあるのだな、ふむむ」
と知るのだろうか。

その疑問を口にすると
お店のお姉さんは言葉を失い
そのあと数秒、再起不可能となった。
それとまったく同じ姿を、私は3年前に見たことがある。

3年前、あれは初めて「デジカメ」を買いに行ったときのことだ。
「後でメモリーカードを買って、カメラに入れてくださいね」
と言われ、私はあわてふためいた。
メモリーカードとは、何とぞ。
カードのような大きなものが
どうやったら、このスリムなボディに入るのか。
心配になって、お店のお兄さんに尋ねた。
「メモリーカード、この小さなカメラの中にちゃんと入りますかね?
 はみでて、ぶら下がったりしないですか」
「・・・・・・・・」

結局、この「ウィフィ問題」は
うちのピアノ教室に来るパブロ君に聞いてみることにした。
「私、ウィフィ持ってると思う?」
こんな怪しげな問いかけに、パブロ君は笑いながら即答した。
「持ってると思うよ」
「ほんと?」
「うん、見てあげようか?」
「そんなことができるの?」
「パソコン、触ってもいい?」

パブロ君のすばらしい指さばきにより
我が家にウィフィがやってきた。
というか、始動するように設定してもらった。
たった5分で。

「これからは、ケーブルにつなげてなくても
自由に家の中でパソコンができるよ。
新しいテレビとケーブルでつなげる必要もないし」
ありがとう、パブロ!

目には見えないが、ウィフィはここにいる。
「ふふふ・・・」
と、満足して友人に言ったら
「ウィフィの電磁波、体に害を及ぼすんだって!」
「なにいぃっ」

一難去って、また一難。
いったいどうしたら・・・

~音楽と絵の工房~地中海アトリエ・風羽音(ふわリん)南スペインだより