マーク・ロスコの2人劇

セルバンテス劇場へ「Rojo」を観に行った。ラトビア生まれのユダヤ系アメリカ人画家「マーク・ロスコ」を題材にした2人劇。

画家の芸術に対する苦悩、ジレンマがテーマなので、舞台はアトリエ。キャンバスや絵の具がごろごろと転がっている。

スペインではとても有名な俳優・Juan Echanoveによるロスコ大熱演。とあって会場は満員。若い弟子役にRicardo Gómez。コンタラストが絶妙。

驚いたのは「絵の具の入ったバケツ」にスポンジを突っ込み、それを取り出して振り回すシーン。劇だから、まさか本当の絵の具が入っているとは思わない。

ところが。バケツからスポンジを持ち上げた瞬間、絵の具がぼたぼたと滴り落ちる。会場からどよめきが。それを振り回すのだから、床にはしみやラインができた。

舞台はそのまま進んでいく。最後まで。思えばそこはアトリエで、2人は制作中なのだからなんらおかしいことはない。

私自身、必死で絵を描き終え、劇場へ飛んで行ったので、アトリエからアトリエへ。爪の中に絵の具を残したまま、2人の画家の姿に自分を重ねて見ていた。

あ、そうそう。共同展の締切の話。作品の「お届け」にハビ吉が一役買ってくれることに。朝一で車で運ぶことにしたので、前夜からうちのアトリエに泊まることに。

もちろんベッドはないので「床」に寝る。それも「作品と絵の具」の間で。

「カーテンもないの?目が覚めちゃうじゃん」

しかし。その時まだハビ吉は知らなかったのだ。朝日より先に「オウムの叫び声」で目覚めることになる運命を。

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