遊花キッス&ランチ

【一日一作プロジェクト】もも窓で「遊花キッス」を作った。久しぶりにハビ吉&叔父さんとランチ。ダンス教室で踊った後、ケーキを持って駆けつける。

「お腹ペコペコ〜」「チキンを作っておいたよ」

ホセマリ叔父さんは、いつも自慢の手料理をふるまってくれる。その横で

「僕は、ズッキーニのスープを作ったよ」

ハビ吉が、緑色のスープをかき混ぜている。めちゃいい匂い〜。1時間半フラメンコを踊った後なので、食欲120%。汗でメイクもはげ落ちた(笑)。

「買ったものでごめんね」

そっとケーキを差し出す。包みを開いた瞬間、おおっと声が上がる。

「なんてカラフルな色!ももらしい〜」「色で選んだ?」

笑。どうしてわかるんだろう。味は知らないよ〜。ハビ吉ファミリーは教会関係の方々が多いので、食べる前にいつも「お祈り」を捧げる。

「今日は日本語でお祈りしよう」

叔父さんからリクエストが。よしっ。おもむろに両手を合わせ、荘厳に言い放つ。

「いただきますっ!」

それをマネする二人。

「いたまきだす」「ただきまー」

不思議な祈りだ。神に、感謝は通じたのだろうか。まずはズッキーニのスープからスタート。めちゃコクがあっておいしい〜。

「何が入ってると思う?」

ズッキーニの他に?うーん。玉ねぎ?ニンニク?生姜?どうしても最後の1つが当たらない。

「laで始まるもの。色は緑」

そんな野菜あったっけ?ブロッコリー、ピーマン、キャベツ、レタス、ネギ・・・la(ラ) で始まらものが見当たらない。仕方ないので

「ラ、ラ・・・ランゴスタ(伊勢エビ)!」

と叫んだら、叔父さんが大笑い。

「そりゃ、入ってたらうれしいけどね」

答えは「ラウレル(ローレル)」だった。葉っぱじゃん。続いてチキンの煮込みが登場。味が染み込んでおいしい〜。ビールで乾杯しながら近況報告。

「週に3回筋トレやっていて、2キロ太ったよ」

叔父さんは、じっと私を眺めると

「あと6、7キロは太らないとねぇ」「ええっ、そんなに⁉︎」「チキンおかわりする?」

いつのまにか話題はクリスマスに。現在のコロナ規制では、集まれるのは上限6人。これからさらに

「人数制限、移動制限、時間制限」

が厳しくなる可能性だって、十分ありうる。その時、叔父さんが声を上げた。

「教会のミサは大丈夫かな」

そこかぁ。思いもよらないポイントだった。確かに12/24の夜、夕食後にみんな揃って教会へミサに行く。それも夜中の12時に!!!「そりゃダメかも」という言葉を飲み込んで

「感染がおさまるといいね」

そっと叔父さんの腕に手を重ねた。色とりどりのケーキをほおばり、食後のコーヒー。そこでまた、両手を合わせ言い放つ。

「ごちそうさまでしたーーっ!」

「ごそさまで?」「さぁでした?」

今度はみんなで大笑い。先はまるで見えないけれど、こうして集まれる、笑い合えることに感謝。一日ずつ、1週間ずつ、進んで行こう。

「遊花(ゆうばな)キッス」

ハグも、頬のキスもできなくなった今、せめて投げキッスで家族友人に思いを伝えたい。