花窓

【一日一作プロジェクト】「もも窓」を使って「花窓(はなまど)」を作った。9月中旬にコロナ規制で、ダンス教室の建物が使用不可になり、何としても踊りたい私たちは

「野原で踊る」

策に出た。ユーカリの大樹の中、木漏れ日を浴びながら。散歩する人々や犬ちゃんに見つめられながら。そして雨の日は

「屋根のある屋外」

を見つけ出して、踊る。そこまでして、踊る。健康や家族の問題などで参加できない仲間たちも、お茶や食事会などで顔を合わせる。この日はひと踊りした後に

「焼イワシ食べに行こう!」

と、ダンス仲間のインマと海岸沿いのチリンギートへ。海を眺めながらビールで乾杯。久しぶりのおしゃべりに花が咲く。

「外出しないことにすっかり慣れちゃった」

インマがぽつり。コロナ規制で、私たちの生活は根底から変わってしまった。こうして一緒にランチをするのさえ「イベント」になりつつある。

「人のいない海や山、野原や林の散歩さえ、マスク着用義務&罰金」

そこまでしなくても。と思う。感染者が激増中のスペイン。このままでは

「今年はもう、マスクなしで新鮮な空気を吸うことはない」

のかも。だいたいマスクなしで新鮮な外気を吸えるのが

「飲食店のテラス席と、自宅のテラス」

だけって、異常。さらに。人数制限、移動制限、時間制限。どんどん管理、コントロール社会へと変貌しつつある。恐るべし。

「焼きイワシもシーズンが終わるね」「これが今年最後かな」

なんとなくしんみり。私たちマラガっ子は、イワシの味で秋冬の訪れを知る。今週末はいよいよスペインは「冬時間」に。時計の針を1時間

「進めるのだったか、遅らせるのだったか」

毎年、小首をかしげている。気がする。個人的には、ずっと夏時間で暮らしたい。