自然遊歩道・5

【一日一作プロジェクト】「布&ひもアート」進化中。自然遊歩道「カミニート・デル・レイ」レポートもいよいよ最終回。

「うわー高っ」「すごいアップダウン!」

渓流沿いの絶壁に「無理やり」取り付けられたような遊歩道。はるか下に水面が光る。振り返ると、自分の通ってきた道がよく見えて

「よくまぁ、あんな所を」

かえって恐ろしくなる。ゴール間近になって、最後にアップダウンがまとめてやってくるのはつらい。なにより

「角材の幅で、階段が作られている」

ので、異様に幅が狭い。その上、段差の隙間からよーく下が見える。気を抜かずに歩きましょう。そして。ついに、その瞬間が。

「やったーーー!」「歩ききったーーっ!」

遊歩道のゴールに到着。感無量。日陰のベンチでしばし休憩。なにしろここから「駐車場・バス停・バル・レストラン」がある所まで

「さらに歩いて30〜40分」

なかなか休ませてはもらえない。冷たいビールを思い描きながら、炎天下を歩き続ける。ヘルメットを返却し、やっとカフェテリアへ到着。

「乾杯ーーー!」「おつかれさーん!」

なんてビールのおいしいこと。アドレナリンと達成感で元気いっぱいだけど、明日はきっと筋肉痛だろう。

最後まで一緒に歩いてくれたハビ吉、ムーチャス・グラシアス!とても心強かったよ。こんなすばらしい景色を一緒に見られて、分かち合えてうれしかった。

後で写真を見たら、ツーショットのほとんどは腕をむんずとつかまれていた(笑)引率、おつかれさまでした(←なぜかハビ吉は私に対していつも指導的態度)。

私の中で「物語」がふくらみつつある。出口を求めて動き回る不思議な虫。その「胎動」を感じながら、今はただ、時が満ちるのを待とう。

「文章」は、私を支える。「アート」は、開放。「音楽」は、私を抱きしめる。

「一つのことをちゃんと極めたら?」「何にでも手を出して」「飽きっぽい」

と、よく言われる。だから何か?(笑)。音楽屋をやめた時、ピアノ教室を卒業した時、私はこの先「自分を待つもの」にわくわくしていた。

「人生は、あまりに美しすぎる!音楽だけをやっていくには」

迷わず、アートの世界に飛び込んだ。体一つ、情熱一つで。道なんかなくたって

「わくわくが、道を拓く!」

今、立っているこの道の先に、何が待っているんだろう。歩いて行くのが楽しみだな。

(遊歩道レポート・完)