【一日一作プロジェクト】春の中を散歩する針。時計を使って「春宴(しゅんえん)」を作った。針の位置によって図柄が微妙に変わるのがおもしろい。もちろんどんな向きで壁にかけてもいい。
「何時かわからない」
のだから(笑)もともと。だったら時計の意味がないじゃん。と言うなかれ。
「時間より大切なもの」
が、ここにはつめこまれている。
「春が、空が、海が、光が、風が!」
そして「命」が。スペインのコロナウィルス感染者は204000人に。4000人増。一日で430人の方々が亡くなった。
時間を戻せるなら。2月に戻って最初からやり直せたら。でも人生の時計の針は、過ぎたら二度と戻せない。
「生クリームが食べたい」「チーズケーキが食べたい」
悶々として、ついに重い腰を上げてキッチンへ。生クリームをたて、クリームチーズと合わせてみた。めちゃおいしいやん(笑)オウムも大興奮。
外出禁止令が続く以上、外食に頼れない。食べたければ自分で作るしかない。私が行く最寄りのスーパーは小さいので品揃えが少ない。その代わり人も少ないので、今はそっちを取る。
「買い物から帰ったら、ちゃんと廊下で『コロナ対策』やってるよ!」
父から写真が届き、見れば廊下の床にテープで「四角いスペース」が作られている。買ったものはまずその枠の中へ入れ
「パッケージは全て外してゴミ箱へ。それ以外はふく(消毒)。またはそのまま放置」
を徹底してやっている。と報告してくれた。うれしい。ほっとする。服も靴もバッグもちゃんと廊下に干して吊るしてあるのが見える。
「お父さんが感染してもスペインから飛んで行けないから、絶対生き抜いてよ!」
感染禁止。私も生き抜くから。3月を境にいきなり離れ離れになってしまった家族が、世界中に何万とあるだろう。お互いを心配しながら、いつ再会できるのかもわからずに暮らしている。
「スマホがあって本当によかった」
ため息まじりに呟いたら、友人のダビーが
「テクノロジーはいらないって、3年前まで言ってたの誰?ハビーがお古のアイフォーンあげなかったら、今まだネアンデルタール人と同じレベルだったよ」
そう。固定電話からスマホデビューを果たしたのが、まだわずか3年前。勢いづいて父にもスマホを要求(笑)そのおかげで今、24時間つながっていられる。
春の中を散歩する針。空を、海を、光を、風を感じながら。その日が一日も早く来ることを祈って。祈りを形に。