自然との共存

【一日一作プロジェクト】黒い紙袋を台紙に。夜空を舞う「月花鳥(げっかちょう)」。汚染された空気を吸い、月の光を借りて植物や花に変えていく。最近、マラガ周辺で

「鹿が現れた!」「イルカが港を泳いでいる!」「猪が」「狐が」

という、信じられない光景がスマホに送られてくる。それも動画なので、しばらく「やややー」と見入ってしまう。

「アスファルトの歩道をのんびり歩く鹿の群れ」「立ち並ぶマンションの間を歩く猪の家族」「ヨットが並ぶ港を悠々と泳ぐイルカ達」

1ヶ月前まで、生息していることさえ知らなかったのに、わずか1ヶ月で彼らはテリトリーを広げ、その姿を住宅街に見せるようになった。

「自然の回復力はすごい」

と最初は思った。が、すぐにそれはとんでもない間違いだと気づいた。もともと彼らの方が、この大地の先住者だったのだ。私たち人間は

「この地球に暮らす一種族」

に過ぎない。それも、地球の歴史からしたらかなり後半。最後の1ページかも。「住宅街と野生動物」のセットはなんとも異様な感じで

「人間と動物が共存ではなく、一方的な押し付けだった」

ことを、教えてくれているような気がする。外出禁止令が明けて、人間達が再び街に溢れたら、彼らは再び山や海に姿を隠し「見えない存在」として生き続けるのだろうか。

スペインのコロナウィルス感染者は約188000人に。一日で5000人増。今日も585人の方々が亡くなった。まさに戦争。生物兵器でなくて何だろう。

絵の具が残りわずかなので、キャンバスに塗りたくることができない。そのおかげで

「今ある素材を使って、最大限に可能性を引き出す」

トレーニングの機会を与えてもらった。少なくと私は毎日夢中(笑)。「月花鳥」も3つのバージョンで。どこでストップしても

「不思議な調和の中にある」

のがおもしろい。汚染された空気を吸い、月の光を借りて花や植物に変えていく「月花鳥」。自然の力を借りるなら

「自然を大切にしなくては」

共存。を考えた一日だった。祈りを形に。