外出禁止令1ヶ月

【一日一作プロジェクト】オウムにかじられた痕そのまま作品に。「Así perfecto! (それでパーフェクト)」。外出禁止令が始まり早一か月。今日はなんと30日ぶりに

「銀行、郵便局、自然食品店へ!」

朝から緊張。思わず友人に「出かけてきます」とメッセージで告げるほど。いつもの完全装備で出発。全て歩き。2時間で無事帰還の予定。まずは銀行へ。

「おぉお〜〜〜」

なんと銀行の入口に人々の列が。全員マスク&手袋。それも「2メートル間隔」を厳守。なので、5人いれば10メートル。なんか銀行が遠い。

1人出たら、1人入る。ので、店内の客は常に1人。いつものように窓口に近づこうとするが、カウンターのお兄さんと私の間には

「どかっと大きなテーブルが設置」

されている。障害物よろしく。窓口にそれ以上、近づけないように。透明プラスチックの窓の向こうから、お兄さんが指示を出す。

「そこのテーブルに置いてください」

必要な物をテーブルに置き、3歩ほど後ずさり。それを確認してから、マスク&手袋のお兄さんがよろよろと現れる。

こんな調子なので、とにかく時間がかかる。銀行に入るだけでも30分かかった。次は、郵便局へ。

「ひえぇぇえ〜〜〜」

こちらの行列もシステムは同じ。なのだが、並んでいる人は倍近い。2メートル間隔、かける10人。で、20メートル。

「あっちだよ」

と、指差される最後尾は、郵便局の角を曲がったはるか先。それでも、みんなルールを守って我慢強く並んでいた。ここでも、1人出たら1人入る式。

最後に「自然食品店」と「スーパー」へ。ここで、思わぬハプニング。手袋の先がバッグのファスナーに食い込んでしまった。何十回やってもダメ。

「もう引きちぎるしかない」

決断。ブチっと切れて、大穴があいた。

「ここから先は・・・素手」

そう思うと、めちゃ怖い。たとえ左手の人差し指1本でも。テープでもあればなぁ。次回からは忘れずに予備の手袋も持参しよう。

なんとか買い物も無事終了。家に着いたら、玄関に特設された「感染防止コーナー」で消毒儀式が待っている。すぐには休めないのだ。

スペインのコロナウィルス感染者は172500人に。一日で567人の方々が亡くなった。どんどん価値観が変わっていく。たった1ヶ月で。どんどんいらなくなる。

心が澄み、視線が透明になる。本当に大切なものは、ほんのわずか。オウムにコラージュをかじられた時も、まずおもしろいと思った。

「それこそ生きている証!」

だから、思わず「アシ・ペルフェクト!(それでパーフェクト)」と叫んでしまった。で、作品タイトルに(笑)たぶん、オウム教育は失敗だろう。でも、健康で幸せならそれでいいと思っている。