祈りを絵に

一向にスピードが緩まない。コロナウィルス感染者は64000人に達し、死者は4900人を越えた。わずか2週間あまりで。そんな中、床に座り込み、イスに何十回と登って作り上げた

「地中海の守護獣」

マラガの町を、その白い翼で聖鳥が守っている。空にも海にも町にも、守護獣たちがいっぱい。

「生命力、再生力、希望」

を、これでもかとコラージュに込めた。思いが強すぎて、パーツがキャンバスに収まりきらず、台紙から飛び出した。写真を見た友人が

「これじゃ額に入らないじゃん」

そのとおり。でも、作っている時はそんな後のことは考えないのだ(笑)。それに。額に入れなくたっていいんじゃ?そのまま展示しちゃダメかしら。

作品の上を歩き回るオウム。なぜか「聖鳥」に近づく(笑)親近感?ホウキで追い出す写真を尼僧のテレサ叔母さんに送ったら

「家の中はどこでも自由に歩いていいのです。ホウキを使う前に、ちゃんと語らいの時を持ってあげましたか?」

バーチャル修道院。迷える子羊の心を洗ってくれるメッセージサービス。語らいの時?3秒でホウキをつかんでたよ、迷わず。

テレサ叔母さんが住む村には、まだ感染者がいないと言う。よかった。田舎ほど可能性がある。私たちの毎日の中心が

「感染があるかないか」

になり、全ての行動は「感染しないために」注意を払って行われるようになった。もう無意識に行動することは、ない。

私たちの心を占めていた沢山のものが、嘘のように消えていく。日を追うごとに、何もいらなくなる。そして。祈りが多くなる。

早く感染が収まってくれますように!日本に感染が広がりませんように!その思いを、祈りを、今日も絵にする。