外出禁止令の初日

感染者が8000人に達し、スペインに「外出禁止令」が出された。日曜日なのに通りには誰もいない。海辺をぶらぶらする事も許されないので

「しーーーーーーん」

と静まり返っている。「理由なき外出」はいきなり罰金(社会的責任の放棄)。お祭り好きのマラガっ子も、さすがに家の中へ引きこもり。ラジオでは

「セマナサンタ(聖週間)が中止になりました!」

「バスに現金では乗れません。接触を減らすためカードのみです」

「風邪で病院に来ないでください」「友達の家で遊ぶのもダメです」「犬の散歩はいいです」・・・

コロナウィルスの話で持ちきり。なので、気分転換に「楽譜&音楽教材の大整理」を始める。こんな事でもなければ、開けないダンボール箱(笑)パンドラの箱?

ピアノの前に座り、読んだり弾いたりしながら分類。なので、ダンボール3箱分とはいえ時間がかかる。もちろん本を広げるたび

「これどんな曲だっけ」「うわーこの曲、好きなんだよね」「ややや、懐かし〜」

って、すぐに脱線(笑)そんなわけで4年ぶりにモーツァルトやバッハ、シューベルトなどを弾いていた。優雅な引きこもり。

そして夜の8時。突然、割れるような拍手と人々の歓声が!なんなんだ?と、あわててテラスへ出てみると・・・

なんと。近所の人々がテラスや窓越しに、手拍子しながら歌をうたっているのだった。おお〜これぞスペイン。オーレ!

「みんなでがんばろう!一人じゃないよ。大丈夫。きっと平和が戻る」

そんな思いで、人々は大声で歌い、はしゃぎ、笑った。たった10分あまりだったけど、ご近所さんの存在を感じながら、私もテラスで踊った。スペイン中で行われた

「夜8時の大合唱&手拍子」

どうやらこれから毎日あるらしい。本当の試練はこれからだけど、だからこそ「今手にしているもの」を大切にしよう。

「画材とピアノと時間と」

ものすごい可能性(笑)めちゃ贅沢なことなんじゃ。せっかく与えてもらった「陸の孤島ライフ」。心ゆくまで満喫しよう。