51歳の終わりと52歳のスタートを、アトリエで迎えている。作業着で。ドライバーを握りしめて。すでに汗だく。これ全て
「棚を取り外し、アトリエに新スペースを作り出す」
ため。まずは180センチの棚を三枚外すところからスタート。クギやらネジなどを取り除き
「まっさらな壁」
を作り出す。おぉお〜。何もないって、ものすごいインパクト。感動。この壁がフリーになったのは、マンションに住み始めて以来のこと。
「実に20年以上」
こんな状態を目にすることはなかった。にしても、棚の取り外しは大作業。ドライバーでクギを緩めながら、左手で金具を押さえ
「左肩で板を支える」
男前ぶり。板がどーんと落ちてこないように。こういう時に、友達から電話が入る。「誕生日週間」だから。
「あ、あ、あ、今動けない」
180センチの板をそっと床に置き、はあはあしながら折り返しお電話。
「何やってたの?パーティ?」「・・・」
今の私には、パーティやお茶会より「アトリエにスペースを作り出すこと」の方が早急なのだ。という事をやんわり伝えると
「トタルメンテ・デスエキリブラーダ(バランスが完全に破綻している)」
と、真面目な声で言われた。棚、ランプ、コンセント、テーブル、イス・・・大移動はまだまだ続く。
パートナーを亡くし、母を亡くし、ピアニストであることを手放した四年前。
自分の足元が崩れ落ちていくような中で、必死の思いで始めたアート。前に進むために。生きるために。それが私のアートの原点。
「アートで元気になる」人体実験中!今年も、ももきみどりをよろしくお願い致します。