コルドバのパティオ祭・1

先月の話で恐縮ですが、お隣のコルドバでは五月二日から十四日まで「パティオ祭」が行われていました。正式には「La Fiesta de los Patios de Cordoba」と言います。

これを「ずーっと見たい!」と思いながら、気がついたら二十年。たってました(笑)。電車で一時間で行けるのに。いや、だから、かも。
「今年こそ、なんとか実現しよう!」
と、重い腰を上げたのはいが、問題は一緒に行ってくれる人。何しろ平日なので、お仕事のある方は難しい。

で、白羽の矢は、またハビ吉。お互いにない時間を絞り出して、の強行一泊二日。なので、ハビ吉はマドリッドから。私はマラガからそれぞれ電車で。コルドバ現地集合&現地解散!

まずは、マラガの駅でチケットを「発券」せねばならない。と、ハビ吉の吹き出しメッセージが訴えてくる。えっ、そうしないと無効なの?知らなかった。なんという。あわてて早めに駅へと向かう。

これだって、初体験。どきどき。なんとか気のいいおじさんに手伝ってもらって、乗車券のプリントに成功!ちなみに駅に設置されたこの器械でプリントします(写真二枚目)。

その足で、駅にあるカフェテリアへ。列車に持ち込むコーヒーをテイクアウト(写真一枚目)。ちゃんとこんな「お持ち帰り用の装い」で、コーヒーが手渡されます。マラガ、やるじゃん(笑)。十年前では考えられない進化。

さて、いざ列車へ。コーヒーも持ち込めるのがいいところ。広々シートに身を横たえつつ、朝食(写真三枚目)。サンドイッチは自前。豪華にハム、チーズ、ゆで卵、野菜入り。

一時間ほどで、コルドバに到着。早っ。しかし、列車を降りて呆然。暑い。マラガの比ではない。通りの温度計を眺めると、なんと!三十度。五月上旬で・・・。ハビ吉との集合時間まで一時間あるので、デパートに入って涼む。

ハビ吉と無事合流。旧市街の迷路のような小道をよたよたと歩きながら(暑さで)、本日の宿泊先へと向かう。
「ここだよ!」
アイフォーンを一時も手から離さないハビ吉が叫ぶ(写真四枚目)。民泊なので看板もなく、ふつうの民家。
「オラー(こんにちは)!」

木製の分厚い扉が開く。と、オーナーの女主人が笑顔で現れた。
「どうぞ!」
中に一歩、足を踏み入れてびっくり。
「うわぁあ、かわいいーっ、すてきー!」

なんと、アンダルシア民家そのまま(写真五枚目)。黒い窓格子の向こうには、光に包まれたパティオが!そして・・・
「うそ・・・ピアノがある」

その時になって、宿泊先を決めてくれたハビ吉は
「いろいろ探したんだけど、ももの好みかなぁと思って」
「・・・・・・」

感動で一瞬、言葉が出なかった。恋人ならここでキスでもするところだが、私たちは二十年来の友人なので、力いっぱいハビ吉を抱きしめ
「ランチ、ごちそうするね!」
ということに、なった。

大満足で、荷物を部屋に運び込み、さっそく「パティオ祭」へ出発!
が、そのとき私たちはまだ、知らなかったのだ。この後、気温は三十四度にまで達し、夜の十時でもまだ二十九度を下らない。という猛暑に見舞われることを。

(明日に続く)