天国へ贈る花束

これまた先月の話で恐縮ですが、近所のエル・パロ地区の花屋さんへ行ってきました。この日はいつものお姉さんのかわりに、お店のセニョールが直々に、すてきな花束を作ってくれました(写真一枚目)。

まず、花を選ぶのが楽しい。それを花束にしてもらうのがうれしい!抱きかかえて持って帰る道中の、なんとうきうきした気分。翌日のお披露目まで、家に飾っておけるのがすてき~(笑)。一人で盛り上がる。

これまで、花を買うのは「お祝い」ばかりだった。でも、昨年から私は「天国へ贈る花束」を、買うようになった。最初はべラ。そして母。そして叔母。この話はまた、改めて書きたい。まだ、言葉にうまくできないのですみません。

そして、この日はハビ吉と、マラガの田舎に車で出かけた。天国にいる私たちの家族に、花束を贈るために。
「海が見えるところがいいよ!」
というハビ吉の言葉で、高台にのぼる。すぐに汗が噴き出て来た。

「花束と一緒に、果物も持ってきたよー」
「えっ、ピクニックみたい・・・」
私たちは大笑いしながら、バナナとリンゴをお供えし、それぞれ手を合わせてお祈りをした。マラガの強烈な太陽の下、私たちの小さな儀式はひっそりと行われ、そして誰にも知られずに終わった。

「届いたかなぁ」
「クラーロ(もちろん)!」
ハビ吉には言わなかったが、実は天国からよく見えるように、この日の花は紅色のカーネーションにしたのだ。

母の日。私は、もう母に電話をしない。でも、母を想うことが、できる。大切な誰かを、心の中に住まわせておくことができる。それは、なんという歓びなのだろう。

ベラを、母を亡くして、それを知った。