芸術に生き、愛に生きる!

マラガのカーニバルの最中、私が訪れたのは「セルバンテス劇場」。オペラ「トスカ」の上演とあり、満席でした。私自身「トスカ」の中のアリアを、ベラとホテルで演奏していたので、思い出してしんみり。

悲劇的なストーリーではありますが、主人公トスカの
「芸術に生き、愛に生きる!」
というセリフに、勇気をもらいました。彼女は歌姫で、恋人は画家。最近、観た「ララランド」の主人公はピアニストと女優志願だったし、アートづいてるなぁ。基本的に撮影禁止なので、最後の挨拶になるとみんな一斉に撮り出す(笑)。

私の定番シートは、安い三階席(写真参照)。なので、表情などはよく見えません。でも、安い値段でも「見られる」ようにしてくれるので感謝。日本と比べると一等席およびプラチナでも安く、日本から来ると驚かれます。出し物にもよりますが、50~80ユーロ程度。

ただ私たちマラガ地元民には「おおぉー」なので、三階まで「ハアハア」言いながら階段でのぼります。庶民席にエレベーターは、ない。

さて、オペラとバレエは「冬の出し物」なので、これで今季は終了。次は秋を待つことになります。そのかわり、と言ってはなんですが、春から屋外コンサートも始まるので、マラガへお越しのみなさん、チェックしてみてください。

カーニバルを横目に、展示会へも顔を出しました。「gravura」というギャラリーで、銅版画などが中心。いろいろなアート講座や教室も行っているので、興味のある方はぜひ訪ねてみてください(写真参照)。

帰り道、ふとのぞいた裏通り。思わず心が、ギュッっとわしづかみにされました。この何の変哲もない裏路地が、私にとってはかけがえのない思い出の場所。なぜなら、この通りのバルで初めてべラに会ったから(写真参照)。

ベラのバイオリンを聴くために、足しげく通ったこの通り。今はそのお店も、もうない。そしてベラも。一人になった私に、音楽とアートが残された。だから、トスカの言葉を繰り返す。
「芸術に生き、愛に生きる!」
私の人生は、そうだった。これまでも。そしてこれからも。