3.ニッポンの病院めぐり

昨日のつづき。

ニッポン帰国後、さっそく翌日から始まった病院めぐり。
3週間しか滞在できないので
一日とて無駄にはできない。
まずは耳鼻科へ。

二か月くらい前にブログで紹介した
「耳石・めまい問題」を解明するべく
かゆみのある耳を先生に診てもらう。
「あぁ、軽い湿疹ですね」
すぐに塗り薬が出る。

これでは一分で診察が終わってしまうので
「あの、先生、質問があるんですが・・・」
と、二か月ほど前
「すごい回転性のめまいに襲われ自力で治した」
話をした。

先生はしばらく黙っていたが
「治っちゃったんだから、今さら、ねぇ」
と、困ったように言い
「今度そのすごいめまいが起きた時に来てください」
と、当たり前と思われる返事をされた。

問題は「スペインに住んでおり」
「そのすごいめまいが起きた時に駆けつけられない」
ことにあるのだが
それを先生に言ってみても仕方ないので
「はい」
とだけ答え、診察室を出た。

少なくとも
「そんな、あなた、自力で治しちゃいけませんよ!」
とは言われなかったので、ま、いーか。

続いて、歯医者へ。
痛くはないのだが、前回詰め物をしたところの確認に。
問題なし。あーよかった。
せっかくなのでクリーニングをしていただく。
これまで時々通っていた歯医者さんは
かなりの激痛&口の中が血だらけになり
これがクリーニング?と思うような体力消耗ぶりだったのだが
今回お世話になった「おおすみ歯科」さんは
実に丁寧ですばらしい出来栄え。
本当にありがとうございました。

続いて、皮膚科。
これも大したことはないのだが
鼻の横の皮膚がパイの皮のように
毎日めくれてきてしまうので診察に。
ここでも塗り薬が出る。

その翌日は、婦人科へ。
これはちょっと心配だったので
「検査」の申し込みをしようと思ったら
「検査、今できますけど、やっていかれますか?」
って、先生。
「ランチの後、コーヒーつけますか?」
ぐらいの簡単さで言うのだ。
信じられない。

なんだか、すごいペースで事が運んでいる。
スペインの、まず初日は「診察の予約」に。
それから三週間後~三か月後に「診察」。
「検査」はまたその・・・という
はるか悠久のリズムに慣らされていると
「こんな国に住んだら、便利だろうなぁ」
と、しみじみ思ってしまう。自分の国なのだが。

「効率」というものが存在しない国から来ると
ニッポンの「病院めぐり」は、かなり感動的だ。
たとえば地元の豊橋市民病院には
「パスポート」というものが存在する。
これを持ってあっちこっち回ってね!
という診察・検査・結果がスムーズに運ぶような
システムが整えられているわけなのだが
こうした「効率」というものが
スペインに導入されるまでには
まだ100年くらいかかるだろう。

なにしろマラガで一番大きな市民病院
我らが誇る「カルロス・アジャ病院」には
電話番号がない。
そう、電話では何も聞けないのだ。
「病院へ来て聞いてね!」
ってことなのだが、質問のために現地まで行かなくてはならない。

そんな国から来ると
「ニッポンの病院めぐり」は、感動的だ。

(明日につづく)