シアターカフェとわたし

KUROです。代理投稿4日め。

昨日の続き。

シアターカフェの林さんと私の共通の友人として、昨日も登場したOさんという映像関係のお仕事をされている方がいます。そのOさんを通してアニメーション制作現場を知るようになったのですが、アニメーションは「構築で破壊で出来ている」という事実はなかなか衝撃的でした。
 
どうして「構築と破壊」と感じるのか、ピンと来ない方もいらっしゃると思うので、一番顕著な例としてこちらのサンドアートの動画をご覧ください。
 

 
砂で描いた絵は、どんなに完成された形でもあっという間にかき消され、どんどん違う形になっていきます。動く映像を「完成」させるために、短時間でどんどん「破壊」していく。どんなに美しくてもそれは物理的には残らない。刹那な世界ですよね。
 
ちなみにこの作品のアーティストであるイリナ・ヤハブさんは、サンドアーティストとしては世界的に有名な方です。が、いわゆる誰もが知るメジャーな存在ではありません。
 
このように世の中、大変優れた作品だけれどもなかなか人の目に触れない映像が沢山あります。そうした一般の上映館にのらない短編アニメーションを、少しでも多くの人に鑑賞していただくために尽力されているのが、林緑子さんなのです。
 
林さんは、2000年11月から「アニメーションテープス」という短編アニメーションの自主上映会を企画運営されてきました。私も2001年11月にナディアパークで開催された上映会で鑑賞したことがあります。今でも活動は継続されていて、Facebookページもあります。
 
上映会というのは作品のセレクト、会場探し、集客など、煩雑な作業が山積です。それを林さんはひとりで頑張って10年以上続けてこられました。 そして同じく上映の大変さを知る江尻真奈美さんに「好きな作品が上映できる空間を一緒に作りましょう」と持ちかけられて出来たのが、この「シアターカフェ」なのです。
  
私が「シアターカフェ」を知ることになったきっかけは、Oさんからのご連絡でして、2012年3月30・31日に内覧会があるのでいかがですか?というものでした。結局内覧会には伺えなかったのですが、オープンして間もない4月5日の夜、初めて「シアターカフェ」を訪問しました。
 
素朴で手作り感のある店内は、まさに林さんのイメージそのもの。こじんまりとしたスペースですが、温かみのある落ち着いた空間で、私はとても気に入りました。入口も表通りではなく、狭い道の古びたビルの鉄階段を上がるという「隠れ家的」なところも私は気にいってます。
 
中のスペースは厨房を挟んで大きく2つに分かれており、手前が展示スペース、奥が上映スペースとなっています。今回、ももちゃんのイベントをここに決めたのは、ライブペイントという「動」と、展示という「静」が使い分けできると考えたからです。あと、敢えてもも作品を「雑多に展示しよう」と考えていて、あの素朴な壁の展示空間がイメージにあっていたというのも決め手のひとつでした。
 
今回お越しいただいた方の中には「狭い」とか「暑い」とかいろいろ不満のある方ももちろんいらっしゃるとは思うのですが、「狭い」に関しては、えーっと、うーんと、とても言いにくいのですが、えーっと、ですね、「予約制」がですね、解決策になると考えていたわけですね。
 
ただ、ももちゃんを見てると、どのシーンでも「流れ」なんですよね。ピアノもペダルを多用して「流れ」を大事にする演奏だったし、ペイントも同様、途切れず滞らないのが彼女の思考。「予約制」みたいな、時間を「分断」する考えがそもそも間違っておりました。これは私の判断ミスです。林さんも一度に沢山のお客さんに頑張って対応して下さいました。一生懸命真面目に仕事する彼女を見ていて、改めて、私はこの「シアターカフェ」を応援したくなりました。
 
商売をされている方を応援するのは、「売上に貢献すること」と思うし、今回、ももちゃんのイベントをやって、更に「シアターカフェ」のファンになった私は、違う企画でまたお世話になろうかなと考えています。
 
そういえば、オーダーしたペリエと一緒にガラスのグラスを渡されたのですが、そのグラス、「シアターカフェ」がオープンした頃いろいろ寄付を募っていて「よかったら使って下さい」と言ってお渡ししたトゥージュール」シリーズのプティグラスだったんですよ。4年以上経っても、立派にこのグラスが役立っているんだなと思ったら、ちょっと嬉しくなりました。ちなみに「トゥージュール」ってのは私の個人事業の屋号です。同じ名前なのでこの食器シリーズが大変気にいっております。