マラガからバルセロナへ週末旅行・1

先週末、バルセロナに3泊で行ってきた。
なにしろいきなり決まったことなので
準備もあわただしく
ピアノレッスンを午後5時に終え
オウムを鳥かごに入れ
6時に家を飛び出す。

空港に着き、搭乗手続きも無事終了。
手荷物チェックで、なぜか私が引っかかり
バッグを開けさせられたが
「あっ、これは!マテ茶セット・・・」
と、係のお姉さん。
「ご存知ですか」
「おいしいですよねぇ」
と、思いがけず「マテ茶話」に花が咲いてる間
べラは、もう一人の係のお姉さんと
「これ、バイオリンですか?私、習ってるんです」
「そう、どんな曲、弾いてるの?」
「バイオリン、見てもいいですか」
って、ここはどこなんだ。

さて、マラガ出発は25分遅れたものの
バルセロナ到着は、予定時刻を10分過ぎただけ。
着陸アナウンスの際、パイロット自ら
「がんばって、取り戻しました!」
って。こんなこと、ふつう言うかな(笑)

乗客もさすがスペイン人が大部分なので
「おおーっ、ブラボー!」
って拍手、喝采。

ところが、である。
飛行場に、ほぼ予定通り着いたというのに
一向に、飛行機のドアが開かない。
「いったいどうしたんだ」
と、ざわめき立つ乗客に向かって
再び、機長のアナウンス。

「せっかく、時間を取り戻したのに
飛行場の人が来てくれません」
って。なんなんだ。

15分後、やっと係の人が
びよーんと伸びる通路を持って来てくれる。
これを、スペインらしいと言うのであろう。

さて、マリとルイスの待つ約束の場所へと向かう。
今回のバルセロナ行きの目的は
「ルイスの誕生日祝い」。

本人はまさか、私たちが到着するとは思ってもいない。
奥さんのマリは
「女友達を迎えに行くから、付き合って!」
と、ルイスを無理やり、家から連れ出してきたのだ。
さて、6年ぶりの再会、
びっくりお祝い作戦は、成功するのか。

「オラ!コモ・エスタス?」
ベラがそっと、空港のカフェテリアでくつろぐ
ルイスの背後から声をかける。

振り返ったルイスは、びっくりした表情を浮かべると
「こんなとこで何やってんだ、ベラ。
偶然だなぁ!ちょうど僕、友達を迎えに来たんだよ」

「はあっ?偶然なわけないじゃないか。
ルイスに会いに来たんだよ、マラガから」
「えっ?」
「マリが仕組んだ、誕生日びっくり作戦だって」

私たちは、6年ぶりの再会に感動していたが
ルイスはマリの顔をまじまじと見つめながら
「だまされた。もうマリの言うことは信じないよ」
と、しばらくすねていた。

(明日につづく)