突然、バルセロナへ行くことに

先日、バルセロナに住む友人マリから
突然、電話があった。
「あれれ、今の時間は仕事中では?」
いつもなら、電話は夜と決まっている。

「もうすぐ、ルイスが誕生日でしょ・・・」
と、その電話は始まった。
ちなみにルイスとは、マリのだんな様。
今は引退されたが、お医者さまである。

そう先日、ベラの腰痛の件で
レントゲン写真を送り
「セカンド・オピニオン」を伺ったあのお方。
私は、尊敬の意をこめて
「ドゥーケ(公爵)」と呼んでいる。
そしてベラは「ホト」。
これだけいろいろな呼び方を
される人も珍しい。

さて、思いがけない電話の要件は
次のようなものであった。
「ルイスの誕生日プレゼントとして
何かびっくりさせてあげたい。
そこで、思いついたのが
ベラと私が突然『お宅に現れる!』という企画」
なのであった。

「マリ、本気?」
「もちろん!飛行機のチケット送るから
バルセロナまで来て」

それが決まったのが先週。
私たちは、週末いきなり
バルセロナへ行くこととなった。

「絶対、本人に悟られないように」
と固く口止めされた矢先
本人から電話がかかってきた。
「ベラ、腰のMRIの結果、どうだった?
何とか会ってゆっくり話せるといいんだけどね」
いつも、誕生日には電話で長電話をする二人。

ベラは急に、しどろもどろになってしまい
「あ、あ、会えるといいよね、ほんとに・・・」
と、早々に電話を切ってしまった。
「どうしたの?」
「だってあさって会うんだよ、汗かいちゃった」

ベラには、「臨機応変」というプログラムは
ついていないのである。

さて、この『誕生日びっくり作戦』
果たしてどうなることやら。
来週につづく。