スーパーお月さん

スペインでは、昨夜は「スーペル・ルナ」でした。
直訳すると、「スーパー・ムーン」「スーパーお月さん」でしょうか。

月が太陽に近づいて、月が「大きく見える」らしい。
本当かな、と思いながら、ピアノレッスンをしていました。

夕方、自転車に乗って
海岸通りへ出かけて行ったべラから、突然電話が。
「ももー、外に出て月を見て!スーペル・ルナだよ」

テラスに出ても、見えない。
うちの前の海岸通りに行っても、見えない。
月なんて、どこにあるの?
と、思いながら、波打ち際まで歩いていくと・・・
「うわあぁっ」

月が見えた。
大きい。
一回りどころか、三回りくらいは、大きい。
いったい、どうなってしまったのか。
こういう大きさの月に、目が慣れていないので
不思議感の方が、大きい。

「スーペル・ルナじゃー」
よくよく見渡してみれば、浜辺に三脚など置いて
スーパーお月さんの写真を撮っているマラガっ子の姿が。

そのうちべラが自転車で帰ってくるだろうと思い
海岸通りで、待っていた。
十分、二十分・・・
ベラの姿は、見えない。

結局、行き違いになってしまい
家に帰ったら、ベラが私を待っていた。
「もも、どこにいたの?」
「海岸通り」
「三十分も?月を見てたの?」
「だって、いっしょに見たかったんだもん」

そのときになって私は自分が
「月を見ること」より
「いっしょに見る」ことの方が
大切なことに、気づいた。

私たちは、いつから美しい光景そのものより
それを一緒に見てくれる人の方が、大切になるのだろう。
それを教えてくれたスーペル・ルナ。
これぞ、スーパーお月さん。
月の魔法。

そして、たかが月のために、必死に電話をしてくるべラを
大切にしよう、と思った。