壁のしみ・4

うちの壁から、水が噴き出ている。
水道修理屋のお兄さんは3時間後、部品を抱えて戻ってくると
「だいじょうぶ、だいじょうぶ」
と言いながら、てきぱきと仕事を始めた。
やるときは、やるのだ、マラガっ子。
やり始めるまでは、遅いが。

30分ほどで、仕事を終え
「じゃ、次は『石工屋さん』が来るのを待っててください」
と言い残し、水道修理屋のお兄さんは去って行った。

壁から噴き出ていた水は、ぴたりと止まった。
「もう、安心じゃ~」
そのことで、心がいっぱいだったので
うちの壁に、30センチ大の穴が開いたままであることには
気づかなかった。

そして、一週間。
壁には、大穴が開いたまま。
いつ、「石工屋」のお兄さんは、来てくれるのだろう。

(壁のしみ・5につづく) CIMG4902